事件との遭遇

ここは、キルシュタイン公爵の城の、大鏡の間です。フィン・キルシュタイン公爵が執り仕切って、会談が始まります。お相手は、ルリ・フガク公爵。あなたたちは、キルシュタイン公爵城側の、大鏡の間の端のほうで出席しています


はーい

ええと、ちょっとNPC会話が多くなるかもしれないんですが

大丈夫ですよ。世界観が広がるんで、万々歳ですよ

ただ、危険が発生しますので、入っていただくのは構いませんし、入らなくても構いません。オッケー?

オッケー

久しい、ルリ公爵

お久しゅうございます、フィン公爵様

僕も混ぜてくれませんか?

会談全体がざわっとします。ルリ公爵の後ろ、だからフガク領ですね。あちらの後ろから、気絶した二人の人物を抱えたソラン・ノイが歩いてきたからです。ソラン・ノイは、ルリ公爵の隣まできて、人相が割れない服を着た二人を床に捨てると、余裕の表情を崩さずに、話し出します

リック公爵の蛮行は見過ごせません。正義にもとる行為だと思っています。今回、このような会談があると知り、僕も参加させてもらえたらと思ってやって来ました

なんかやる?

通信先だったら手が出せないじゃないかw

エメス。あいつはこの前

ルドワズ領で会ったね

ああ。エミリー公爵と対峙していた。確か、ソラン・ノイかもしれないっていう話だったな。あれがその……

周りの人の様子を見ますが

会談全体がざわざわしてます。周りからソラン・ノイの名前も聞こえてきますね

その者ら二人は何者か

さすがはフィン公爵。ルリ公爵の命がかかっていることを、説明せずとも分かっておいでですね。
この二人は、サウル領からフガク領に来ている、人さらいのうちの一組です。サウル領から、被検体をさらいに、人さらいが横行しているのはご存じですね。この者たちに化け、かつ被検体を連れて行けば、サウル領の中心部に潜入することは容易いでしょう。そして業血鬼リック公爵を叩けば、血戒域は消滅します。
無駄な戦争を起こすことは、お勧めしかねます

言い分は分かった。だが分からぬ点がある。勝手にやればよかろう。なぜ会談に来た

この人さらいが探している被検体の特徴と一致する人物は、ある血盟のうちの一人で、フィン公爵から彼らに協力を命令していただきたいのです。これを安全に実現するには、少なくとも、僕はその血盟と離れた場所にいて、彼らと通信ができ、こちらに有力な人質が必要でした。今回の会談はその条件にちょうど当てはまり、大変助かりました。
断ればどうなるかはお分かりですね?

なんてこった

……特徴を申せ

人間で、二十代であることと、霊獣に懐かれていることです。命令によれば、その霊獣も共にさらってくる必要があります

フィン公爵があなたたちのほうを見ると、会談に集まっている出席者の目が一斉にあなたたちに向きますw

エメスも九十九のほうを見るw

ちょっと訝しんだ顔をしますw

エメスさん、ツクモさん

呼びかけてきますw

はい、はいw

私も呼ばれた

お二人は、先日のルドワズ領の事件に関わっていましたね。その折に、僕のほうで勝手に身柄を調べさせてもらいました

そいつは光栄だ。しかし腑に落ちない。なぜリック公爵は俺なんかを

ああ、いえ。君を、ということではなく、二十代の被検体を、ということだと思いますよ

何かを試したいってことか

ええ。現在サウル領では、何か大きな実験をしている、という情報が入っています

そのために、二十代の人間で、霊獣に懐かれてる人が必要なわけだ

まぁ、人さらいはたくさん来ていますから、そのうちの一組がちょうど、君と条件が合う被検体を探していたということです

最悪俺じゃなくてもよかったのか

ええ。ですが、霊獣は珍しいですからね。それに、人さらいに成り替わってサウル領の中心部に行くのであれば、人数は少なく、戦力を持っている者が実行するのがいいでしょうから、血盟と業血鬼であれば理想的と言えます

魅力的な提案だ。何から何まで、断れない条件が揃っているよ

お手上げですねw 両手を上げて困ったようにしてますw

では、ちょうど人さらいも二人組ですし、このような提案をおこないましょう。僕とエメスさんが人さらいを演じ、ツクモさんはさらわれた演技をしてください。霊獣にも、おとなしくついてくるようにお願いできれば重畳です。この提案、乗っていただけますか?

周りの様子を見ますが

フィン公爵は、渋々頷いてきます。ルリ公爵の命が懸かってるからね

じゃあそれに対しては頷き返しますよ

分かった、いいだろう

ありがとうございます

ここまで見事な手並みじゃ、反論することはないよ。それに戦争が起きて、人が多く死ぬことを防げるというのならば、そっちのほうがいいだろう

あなたは正義の心があるようですね

ソラン・ノイは正義にこだわる業血鬼です

どうかな。人がたくさん死ぬのを防ぎたい。それは誰もが持っている思いだと思うがね

僕には美点であるように思いますよ。では、血盟のお二人が着くまで、僕はルリ公爵と過ごさせていただきますね。お二人が来たら、公爵は解放しましょう

公爵の安全は守ってもらうぞ

ということで、鏡通信が勝手に切れます。はい、ということで、残されました

残されましたね

フィン公爵があなたたちのほうに来て、沈痛に言います

頼む。そなたらに任せるより他にない

噂では聞いていましたが、先の大戦の英雄ですか。本当に手並みがよいようで、隙がありませんね

と苦笑しますよw

かの業血鬼には、我らも手を出せずにおったのだ。なにぶん隙がない

そうですね。相手の目的が何か分からないのは怖いですが、そのためにここで逃げるわけにもいきませんから

そうだな。エメスもそれでよいか?

はい、構いません

ではどうか、ルリ公爵を……そしてサウル領の解放を、よろしく頼みたい

頷いて

分かりました

同じく頷きます

というところでシーンを切らせていただきましょうか
『人鬼血盟RPG ブラッドパス』の二次創作です。
c2019 からすば晴/N.G.P./アークライト/新紀元社


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