事件との遭遇

まず最初にですね。あなたたちは実力が認められまして、女帝や公爵たちと普通に話して大丈夫だということになりました。女帝直々にそう言われました。まぁ、言われたっていうだけなんで、やるかやらないかは好きにしてください

分かりました

やったぜ

では、あなたたちが帝都の城で、ジュークス公爵のブローチを届けると、グレイ公爵が鏡通信越しにそれを覗き込みます

ついに揃ったのねー! これでどんな歌が聞けるのかしらー! ……ど、どうやったら歌になるのかしらー??

あれ、それは公爵が知ってるんじゃ……

わーって騒いでいます

ほかの公爵方をちらっと見ますが

みんな、いつものこと的な感じで、はーっとため息をついています

人間の作曲家に頼んだのよー! ワタシが作ったらダメだと思ってー!

言い訳を始めました

これは直るんですか……?

これは駄目かも分からんね

こーらグレイ! さすがにその責任は取ってもらうぞ

うぅ~、メロディーを聞いてなんとか歌にするわ~

そこへ、薔薇の花弁が嵐のように舞い散ります。ぶわー!

あー来た

来た

そして少女の笑い声

いったい何をしてるのかしら?

貴様はルカエラ!

よくここまで来れたね

へぇ、まだアタシの実力見くびってるの?

そういう意味じゃない。ウィルさんを殺しておいて

そりゃもう、ソランもピリピリしていますよ

ま、いいわ。なに、コソコソと動いてるみたいだけど、アタシがそういう不穏な動き、見逃すとでも思ったのかしら?

なら、何をやろうって言うんだ

じりじりと距離を詰めます

特にすることはないんだけど

なかったw

だって、もう世界の脅威度は十分に高まったわ。アナタたちが何をしようと、手遅れってわけ

貴様、何をした!

アハッ、最後に教えてあげてもいいわぁ♪

そうルカエラが言うと、黒薔薇の花弁が吹き荒れます。それは城の中だけではなく、帝都中です

なにー、そんな距離を

その場にいる者たち、そして帝都の民が、黒薔薇が舞うと普通の黒い荊病に罹患していきます。まぁ、普通にこいつのせいだったよね

はい

あ、ただですね、女帝フェルナやグレイ・ワイル公爵はこの場に体がないので、物理的に。大丈夫です

なるほど

なのですが、シャルドレア様の姿をしている聖天の聖女と、フィン・キルシュタイン公爵はこの場にいて、罹患してしまいます

業血鬼になってしまうんですか

いや、荊病になるだけですね。なので、一日から半年の猶予はあります

もう猶予がないって言ってるようなもんじゃないかw

これは荊病……やめなさい!

そこへ、鏡から緊急の通信が入ります。シュネー・ツドラーシュ公爵からですね

フェルナ。北壁に異変が起きた。壁の向こうから、突き破ろうとする動きがある。今……破られそうだ。これは……。
竜だ。山のように大きな、な。我らがこの地に来た時に大地を闊歩していた竜そのものだ。大きさも、数も。我が軍は屈強だが、あの竜に敵うとは思えない。無駄死にする前に、帝都へ移動を開始する。竜の監視は続ける。以上だ

と言って、鏡通信は切れます

これもお前の策ってことか

ルカエラがクスクスと笑って

この物語の舞台装置が発動したのよ。竜討伐に始まって、竜に討伐されて終わる

趣味が悪いぞ……

今趣味が悪いって言った?

いいぞもっと言ってやれ!w

もうこれだから! これだから凡人は困るわ! そうね、舞台背景は知っていたほうが、物語をぐーっと楽しめるわ。これをあげるわね♪

って言ってね、以前奪っていった、『イルローズ世界自体の脅威度について』という論文をぴんと弾いて寄越してきます

ありましたね。二つ前のシナリオで出てきたやつ

さぁ、物語のクライマックスよ!

笑って、薔薇の花弁にさらわれるようにして、ルカエラは勝手に消えていくのでした

おい、待て!

待って、今は戦えないよ。……了さんとシエルのようになる

じゃあ、ひらひらと落ちてきたその紙切れを拾います

貸してくれ、速読しよう

任せます

ぱらぱらーって読んでくれます。前もやったようにね。で論文を読んで、現状やルカエラの発言などを元に推測を交えてまとめると、以下のようになります
女帝フェルナがイルローズ世界に来た際に闊歩していた山のような竜というのは、イルローズ世界自体の「脅威度」が一定基準を超すと現れ、脅威を一掃する危機排除装置であった。誰が何の目的で作ったのかも分からないが……あるいは作った者も排除されたのかもしれない。竜たちが死んだ吸血鬼の灰を食べて養分にしている様子が観察されており、危機排除のために『造られた』ことが伺える。ルカエラが荊病を流行らせたのは、いたぶりながらイルローズの「脅威度」を上げるためであり、その狙いは「竜討伐に始まって、竜に討伐されて終わる美しい物語」を作ることだ。

イルローズの脅威度というのは、荊病の合計値のことですかね

基本的には業血鬼や業血鬼の手下に設定されているのが脅威度というものなのですが、荊病も含まれてしまっているのでしょうね。直結するから

なるほど。この世界はもうお終いですねw

かー、気づかれてしまいましたかw

なんとかならないんですか、くまグマー!

俺にだって……分からないことはある……!

PCで相談しなさいw

つまり、竜たちがこの世界を破壊しないように、荊病をなんとかしないといけないという話だよね

多分そう、だな……

で、短時間のうちにやらなきゃいけない

その場にいる方々、聖天の聖女とか、メイドとかが体調不良を訴え始めます。荊病は本来そういうものなので

そして私たちは荊病の元凶を知っている

ああ、そいつを何とかすれば……!

だけど待ってくれ二人とも。まだ伝説の武具、とやらの封印が解けていない。そうですよね、グレイ公爵

みんなの視線がザッと集まりますw

涙目w

納期切られたw この期日までに曲を作ってくださいw

納期早まりました! 明日です!w

おとーたん、と、おかーたん。ぼく、おっきなりゅうと、おはなしする

そうか。竜同士だと話が通じるのかもしれないのか

でも、なんていったら、いいかな

壁の向こうに帰ってください、とかかな。聞いてくれる気がしないけど

そうだな……帝都のことは私が指揮をしよう。竜を一時でも足止めしてくれないか、エメス、ツクモ、ソラン

……分かりました。我々が今できることもそう多くはないです。なら、目の前の脅威を、どうにかしましょうか

僕は単騎で出よう。言いくるめは得意だからね

自信ニキ!

自信ニキw

言いくるめ99%w

竜の数が多すぎる

分かった。そのほうがいいかもね。なにしろ相手はたくさんだから

おとーたん、おかーたん、おはなししたらいい、っていうの、おしえてね

大丈夫。任せておいて

ってイティーに言うんですけども、九十九のほうにこそっと

正直上手くやれる気がしない……。九十九頼りだ

w まぁ、やるだけやってみるさ

では、このシーンはカットしていきましょう
『人鬼血盟RPG ブラッドパス』の二次創作です。
c2019 からすば晴/N.G.P./アークライト/新紀元社


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