情報1
「リック・サウル公爵の噂」
リック公爵は日に日に、元のリック公爵とはかけ離れていっている。自分を実験台にして投薬でもしているのではないか、あるいは、本当にリック公爵か?と囁かれている。これでもリック公爵が彼であると認められているのは、公爵のブローチをしているためだ。
また、サウル領では現在「極大威力の攻撃血奏法」を開発している。今回、霊獣をさらえと人さらいに命じたのもその関連らしい。まだ血奏法は完成していないようだ。

1話の人って、ここから逃げてきたんでしたっけ、確か

はい、そうです。よく覚えておいでで

何か関係あるのかもしれない

そうですね、何か研究施設に関係あるかもしれない
マスターシーン1

君たち。そろそろ人さらいの演技をやめましょう

今どのくらいまで来てるんですかね。街?

結構話してましたし、だいぶ中枢部には来てますね

このまま行けば、ツクモさんを実験棟に連れて行かなければなりません。そこに、さすがにリック公爵はいないでしょう

そうだった。ここらが潮時か

人のいない場所に隠れます。あの兵士の気を引きますから、あちらへ入っていてください

と目配せをします。で、その兵士なんですが、よく覚えておいででしたね。すごいな。兵士がぶつぶつと何か言っています

テータ、おお、逃げてくれ、私のテータ、卵は任せた、テータ……

テータの旦那ですね

もう正気は失ってるんですか?

もうきちんと言葉を話せない知力で、うわごとのように言っている感じ。外見的にはごちゃごちゃのキメラです

悲しいなぁ

悲しいなぁ

何かやりますか? 隠れてますか?

いや~~悲しいな。でも、一言だけは言わせてもらいたいと思いますんで、ちょっと声をかけさせてもらいますよ

すまないが、俺も一緒に行く。奴に一言だけ伝えたいことがある

奴……知り合いなのですか?

いや。イティーを生み出したのは、多分そいつが関係してるんだ。言うならばこいつの生みの親ってことになるのか

イティーくんの……そうですか

だから一言だけでも、伝えてやりたい

分かりました。では行きましょう

エメスさんはどうしますか

エメスとイティーは先に行ってましょうか

はい、では九十九さんとソランは兵士のもとに来ました

テータ……逃げてくれ……

彼女は卵を、ちゃんと外の世界に送り届けたよ

卵を……テータが……!

それは感極まって、泣いて、膝を折りますね

うわー殺しにくくなったw

殺さなくてもいいんじゃない? ソランは気を引くって言ってたし

そうそう

君、今です

ササっと行こうとしますよ

同じく行きます

ツクモさん

ああ

よかったですね

そうだな。せめてあれだけでも伝えられたんだ

ではエメスさんのほうに行きましょう

なんとかしてきました

ふわっとしたことを言います

殺したの?

ズバっと聞きます

それに対しては首を振ります

ええ。ツクモさんが無力化してくれました。ですから、殺してはいませんよ。
さて、サウル領で自由に歩こうと思ったら、研究者である必要がありそうですね。僕が――

と言いかけたところで、ソランの持っている小さな鏡が、弱々しい通信の声を拾います

……誰か……さい……

エミリー公爵だー!

……誰……ませんか……?

エミリー・ルドワズ公爵の声、ですね。僕は警戒されてしまうでしょう。お二人に、エミリー公爵との会話を頼めますか?

あの子も業血鬼でしたよね? 前回の話だと

前回の話だとそうですね

分かった。じゃあ私たちが話す

ありがとうございます

鏡をお渡しします

えー、失礼、お嬢さん

わたくし! エミリー・ルドワズと申します!

目を見ますが、やっぱり業血鬼の状態なんですよね

あ、そっか。鏡だから見えるんだ。えー、普通っぽい感じがします

おー?w

わたくし、牢に捕まっていまして、リック・サウル公爵も一緒なんです。本物の、リック・サウル公爵なのですわ!

本物のリック・サウル公爵?

はい! 表にいるリック公爵は偽物なのですっ。敵には、姿を奪う能力があるようで、奪われると、本物が弱ってしまうのです

そんなことが。失礼、エミリー公爵はルドワズ領におられたのでは?

わたくしも姿を奪われて、ここに連れて来られて、それで体が弱っているのですけれど、本物のリック公爵様がもう衰弱しきっていらして……!

なんだってー!?w

やはり元に戻すには、偽物を叩く必要があるということですか?

おそらく……。リック公爵様は、わたくしの鏡を、サウル領以外の鏡と繋がるよう改良してくださったあと、気を失ってしまわれて、目が覚めないんです。もう時間がありませんわ!

分かりました。こちらでその偽物をなんとかしましょう

ありがとうございますの……

通信が切れます

これソランにも聞こえてたんですかね

そうですね、周りの二人とも聞こえて大丈夫です

リック公爵が偽物、ということか

なるほど。ともあれ、することは変わりませんね。僕は、サウル領で自由に動ける、研究者の立場に見えるよう、服を調達してきます。お二人とイティーくんも疲れているでしょう。ここで少し休憩を取ってください

と言って、ザッと、業血鬼なんで、すごい身軽に去っていきます

はい。……もうねぇ、調子が狂うんすよ、このソランくんw

交流シーンあるので、ここで切らせてもらいますねw
『人鬼血盟RPG ブラッドパス』の二次創作です。
c2019 からすば晴/N.G.P./アークライト/新紀元社


コメント