情報2
「魔法陣の効果への考察」
一人を一時的に超強化するという戦法が力を発揮するのは、大軍での戦争ではない。戦争に必要な力は軍としての力であり、またその力の発揮は長期間に及ぶものだ。たった一人を一時的に超強化するのが有効なのは個対個の場合であり、考えられる一番妥当な線は暗殺であろう。それを裏付けるように、帝都とノイ領の間にある山岳の寒村の民が、シオンとソランらしき人物を数日前に森で見たという。だが、暗殺にしてはあまりに過剰戦力ではないかと考えられるが……。
ともかく、シオンとソランはノイ領にはいない。どころか、すぐにでもここを発たなければシャルドレア・ヒルムが危険だ!

ここで初めて出た情報としては、暗殺にしてはあまりに過剰戦力ではないか、ということです

確かに
交流シーン

じゃあ、アニエス・レインの診療所から追い出された後、ですかね

一応、指輪経由で、こういった理由で向かいますっていうのは伝えておこうかなと

はーい分かりました。シャルドレアに通信が届きます

どうしましたか?

お久しぶりです。こちらのほうで情報がまとまりましたので、お伝えしようと

ええ、どうぞ

ソラン・ノイ、そしてシオン・ルドワズの目的は、あなただと思います

わたくし、ですか?

ええ。今その二人は軍から離れて行動しているようです。そして、向かう先は帝都、あなたの可能性が高い

なるほど。暗殺をし返されようとしているのですね

そうです

ですが、わたくしには戦力がありません

はい。そのため、お早めに避難されてください

いいえ。悪戯に動けば、業血鬼達をそれだけ振り回すことになるでしょう。そして業血鬼達が通ったあとには、おそらく死体の山が。これは、ソラン・ノイにしてやられましたね

避難されるつもりはないのですね

大きな戦力は出払ってしまっているものですから、業血鬼二体に来られては、防ぎようがありません。正直、わたくしとしては詰みです

……なら、我々に賭けてもらうしかありませんね

あなた方にですか? それはどういう

我々は今からソラン・ノイとシオン・ルドワズと戦います。撃退できればよし、駄目でも時間を稼げるでしょう

どういった手段でここまで戻ってくるのかは分かりませんが……、お願いします。帝国のために

分かりました

ではわたくしはすぐに、軍に連絡を回しましょう。この通信を切っても?

大丈夫です

では、聖天の加護があらんことを

通信が切れます

……すまんな、エメス。こんなことに付き合わせてしまって

こんなことって何のこと?

本当は逃げてしまってもいいのかな、とも思うんだ

逃げる?

ああ。こんな大ごとから

ああ、そういうことか

今回ばかりは、さすがに死んでしまうかもしれない。今までだって業血鬼一体でぎりぎりの戦いだったのに、今回は二体、しかも相手は大物ときた

じゃあ、これから逃げる? 飛ぶ方向を帝都にしなければいい。まだ間に合うよ。私はあなたのパートナーだから、あなたが飛んでいくほうに飛ぶよ

……すまない。俺はひどい男だ。たぶん、君を生かすにはここから逃げることが一番だったんだろう。
だが、エメスには言ったかな。俺はもともと、業血鬼に襲われてこの道を選んだんだって。そのとき恨んだものが三つあるんだ。
襲ってきた業血鬼。
業血鬼を討ち取ることができなかった世間。
そして何もできなかった自分。
ここで逃げたら、たぶん俺はまた俺を許せなくなってしまう

黙って聞いています

だから俺は、あの二人を止めるよ。エメス、俺と一緒についてきてくれるか

もちろん、ついてく。どこにだってね

イティーに合図をして呼びます

ありがとう……、エメス

エメスの手を取ってイティーに乗ります

帝都に向かって飛んでいきましょう! これで交流シーンをカットさせていただきますね
『人鬼血盟RPG ブラッドパス』の二次創作です。
c2019 からすば晴/N.G.P./アークライト/新紀元社


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